キラキラ〜不良な君に恋してる〜
教室にいても、廊下を歩いていても、周りの視線を感じる。
居心地の悪さを感じる。
藤堂くんはその噂のせいかはわからないけど、朝から姿を見ていない。
「ちょこちゃーん!」
廊下の向こうから呼ぶ声。
そして、そんなふざけた呼び名で呼ぶのはあの人たちしかいない。
「…竹内さん、池田くん」
「聞いたよー!葵とラブなんだって?」
竹内さんは私を肘でつつきながら騒ぎ立てる。
ど、どうしてこの人たちまで噂に振り回されてるの!?
事実を藤堂くんから聞いてないわけ?
「ち、違います!」
「え?そうなの?なーんだ」
「つまんねー!」
心底つまらなそうにそう言う。
人の噂で面白がらないでよ。
「葵、なにも教えてくれないんだもんね」
「聞いても適当にはぐらかされるんだよな」
「ど、どうして……」
否定してくれたらいいのに。
そしたら、こんな私が絡まれることだってないのに。