あべこべ恋愛事情
「あの子ちゃんとわかってるのかな。初めて見る顔だったけど・・・」
受け取ったクッキーを見つめながら1人ため息をつく。わかっててくれてるならいいんだが、知らずにファンになってくれてるのだとしたら申し訳ない。
「あーきーら!!」
「うおっ!?」
声とともに背後から何者かが突進。大体予想はついているが・・・。
「おっはよー!あらあら?早速朝からお菓子もらったんですか?いいですねー、モテモテですねー」
右手を口にやりニヤニヤと茶化してくるのは、親友の雨巳華(あまみはな)だ。華とは小学生の頃からの付き合いで、俺が女子しか好きになれないことも知っていて、それでもずっと友達としていてくれる数少ない友人だ。
「モテテるわけじゃないけど……。1年生からもらったんだよ、結構可愛い子だったんだけどさ。あの子わかっててくれてるのか心配で・・・」
「1年生・・・って、青リボンだっけ?あー、入学してまだ2ヶ月?だもんね。輝の事男の子と勘違いしててもおかしくないかも」
「うっ・・・、やっぱりそうかな。なんか受け取っておいて罪悪感が・・・」
「受け取ったんだからちゃんと食べなよ?勘違いなんて今に始まった事じゃないじゃん。1年生の頃からでしょ?そんなのいちいち気にしてたら大変だよ!ほら、切り替えた、切り替えた!」
背中を押され、教室まで走らされる。すれ違う際に挨拶をくれる女の子達の目は輝いていて、男の子の目は同類を見る目だ。2、3年生は俺が男なのを知っているから、女子は女子として、男子は男子として俺を見る。ちょっと複雑な気分だ。
「はい、到着ー」
「お疲れ様。押さなくても来たのに…」
「文句言わない、入って!後ろ詰まってまーす」
背中を強く押されよろよろっとしながら教室に入る。華は朝からテンションが高くてついていくのが大変だ。
「おはようー、輝朝から捕まってんの見たよ」
「輝またかよ、忙しい奴だな」
「雨巳さん、おはよう!今日も可愛いね」
「おっはー」
教室に入るとみんなが口々に挨拶をしてくれる。これはまだ今でも慣れない。中学までは女子が女子を好きなんて、と気味悪がれ、友達らしい友達は出来なかったからだ。みんなから好かれ、挨拶をもらえるだけの事がこんなにも嬉しい事とは高校に入るまで知らなかった。
「今日の1時間目って学校集会だっけ?めんどくさいー」
挨拶を返し、席に着く。華とは席が隣同士だ。教科書を机に入れながら、華は続いてぼやく。
「学校集会ってさー、本当めんどくさいんだよね。校長のハゲの話は長いし、モゴモゴ喋るから何言ってるのか不明だし、なんか生徒会長でしゃばって挨拶するし。会長は生徒の行事の時だけ挨拶してりゃいいっての。なのに、長々と疲れる話するしさー」
「確かに校長の話は長いよな。けど、生徒会長も仕事だから仕方ないんじゃないのか?」
「仕方ないにしても長すぎ!もっと完結に話せばいいのにさ!あ、でも今日の表彰さ帆川先輩が症状貰うらしいんだよね!それだけ楽しみー!!朝からあのかっこいい姿が見れるとか・・・惚れるわー」
帆川先輩というのはこの学校で1番モテると思われる陸上部の先輩だ。確か種目は高飛び、ハードル、100m走だとか。1年生、2年生と大会新記録を作ったらしく今年もかなり期待されている。その分人気もあるため、女子の中ではかなりの競争率となっいる。華は帆川先輩ファンの1人である。俺には関係の無い話なのだが・・・。
受け取ったクッキーを見つめながら1人ため息をつく。わかっててくれてるならいいんだが、知らずにファンになってくれてるのだとしたら申し訳ない。
「あーきーら!!」
「うおっ!?」
声とともに背後から何者かが突進。大体予想はついているが・・・。
「おっはよー!あらあら?早速朝からお菓子もらったんですか?いいですねー、モテモテですねー」
右手を口にやりニヤニヤと茶化してくるのは、親友の雨巳華(あまみはな)だ。華とは小学生の頃からの付き合いで、俺が女子しか好きになれないことも知っていて、それでもずっと友達としていてくれる数少ない友人だ。
「モテテるわけじゃないけど……。1年生からもらったんだよ、結構可愛い子だったんだけどさ。あの子わかっててくれてるのか心配で・・・」
「1年生・・・って、青リボンだっけ?あー、入学してまだ2ヶ月?だもんね。輝の事男の子と勘違いしててもおかしくないかも」
「うっ・・・、やっぱりそうかな。なんか受け取っておいて罪悪感が・・・」
「受け取ったんだからちゃんと食べなよ?勘違いなんて今に始まった事じゃないじゃん。1年生の頃からでしょ?そんなのいちいち気にしてたら大変だよ!ほら、切り替えた、切り替えた!」
背中を押され、教室まで走らされる。すれ違う際に挨拶をくれる女の子達の目は輝いていて、男の子の目は同類を見る目だ。2、3年生は俺が男なのを知っているから、女子は女子として、男子は男子として俺を見る。ちょっと複雑な気分だ。
「はい、到着ー」
「お疲れ様。押さなくても来たのに…」
「文句言わない、入って!後ろ詰まってまーす」
背中を強く押されよろよろっとしながら教室に入る。華は朝からテンションが高くてついていくのが大変だ。
「おはようー、輝朝から捕まってんの見たよ」
「輝またかよ、忙しい奴だな」
「雨巳さん、おはよう!今日も可愛いね」
「おっはー」
教室に入るとみんなが口々に挨拶をしてくれる。これはまだ今でも慣れない。中学までは女子が女子を好きなんて、と気味悪がれ、友達らしい友達は出来なかったからだ。みんなから好かれ、挨拶をもらえるだけの事がこんなにも嬉しい事とは高校に入るまで知らなかった。
「今日の1時間目って学校集会だっけ?めんどくさいー」
挨拶を返し、席に着く。華とは席が隣同士だ。教科書を机に入れながら、華は続いてぼやく。
「学校集会ってさー、本当めんどくさいんだよね。校長のハゲの話は長いし、モゴモゴ喋るから何言ってるのか不明だし、なんか生徒会長でしゃばって挨拶するし。会長は生徒の行事の時だけ挨拶してりゃいいっての。なのに、長々と疲れる話するしさー」
「確かに校長の話は長いよな。けど、生徒会長も仕事だから仕方ないんじゃないのか?」
「仕方ないにしても長すぎ!もっと完結に話せばいいのにさ!あ、でも今日の表彰さ帆川先輩が症状貰うらしいんだよね!それだけ楽しみー!!朝からあのかっこいい姿が見れるとか・・・惚れるわー」
帆川先輩というのはこの学校で1番モテると思われる陸上部の先輩だ。確か種目は高飛び、ハードル、100m走だとか。1年生、2年生と大会新記録を作ったらしく今年もかなり期待されている。その分人気もあるため、女子の中ではかなりの競争率となっいる。華は帆川先輩ファンの1人である。俺には関係の無い話なのだが・・・。