狐の恋は波乱塗れ
幼い頃
赤い…
小さな少女は息を荒げながらそう思った。
赤く燃える空。響き渡る刀が交わる音、
嫌に鼻に付く血の匂い、そして耳にまとわりつく悲鳴に怒号。
座って耳を塞ぎこみたくなるのを必死に我慢しながら小さな手足を一生懸命動かす。
目の前で人が殺されていく。
そんな光景に吐き気を覚える。
< 1 / 6 >

この作品をシェア

pagetop