しろっぷ
「甘い!!そんな心構えだと、男なんて捕まえられないよ」
「ちょっと声がデカい。わかった行くから」
 それを聞いた真紀はまたもやゆかりを抱きしめる。
 するとまたゆかりの名前を呼ぶ声が聞こえ、ゆかりと真紀は後ろを振り向いた。
「あ、正志君おはよう」
「・・・おはようございます早川さん。朝から何を?」
「青春だよ君〜」
「青・・・春?」
「正志、気にしないでいいよ。真紀の恋ボケだから」
 何とか振りほどいたゆかり。
 ゆかりは正志の背中を押してビルの中へ先に入り、真紀は少し遅れて追いかけた。
「正志、昨日はお疲れさん。後、ごめんね」
「い、いえ。オレのは大したことないんで」
「おやおやゆかりちゃん〜。もしかして年下に手を出しました〜」
 後ろからやたらと嬉しそうな声を出す真紀。
 それを見たゆかりは白い目に。
 そもそも真紀はわかりやすい性格で、このような変なハイテンションは正直面倒くさい。
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