しろっぷ
5、STARTGAME
 あのような出来事から幾ばく。
 ゆかりのおかげで真紀と武彦の仲は固く結ばれ、恭子と史彦との関係も改善の兆しがあったようだ。
 しかし、ゆかりには何の関係もなく、代わりに疲れが溜まりそれが仕事にも支障が出るほど。

 目が重い。
 身体はガタガタだし、真紀は有給を使って文句は言えないし、仕事は終わらないし。
 今日こそは早く帰って、何も考えずに眠りたい!!!

 目を何度も擦り、何とか睡魔に負けまいと頑張っていると誰かがゆかりの肩を叩いた。
「橘君、ちょっと言いかね?」
「小川部長?どうしました?」
「さっき連絡があってな。社長がお呼びだ」
「貴ひ・・・社長がですか?」
「すぐに来いとのことだ」
「は、はい!?」

 貴人さんが何の用かな?
 何か怒られるようなことは・・・あ、もしかして部長の発注ミスの件か?

 そのことを聞こうしたゆかりだったが、小川はすでに何処か違う場所へと消えていた。
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