しろっぷ
 デスクから立ち、ゆかりは貴人がいる社長室へと向かった。
 大体ゆかりが呼び出される場合、コーヒーを作れか部長の小川のミスか秘書の仕事をしろの3点。
 コーヒーに関しては今朝すでにやっており、いつもなら残り二つだが、最近はもう一つだけあった。
 それはもちろん貴人との親しい仲の件。

 まさか貴人さん・・・。
 いやいやいや、幾ら何でも仕事中・・・チュウ。

 ハッとした頃には社長室の前に立っており、社長室へ入る前に身だしなみを整えた。
 トントン、失礼します。
 扉を開けると貴人は何かの書類に目を通していて、ゆかりが入ってきた音を聞いてこちらをを。
「社長、何かのご用でしょうか?」
「・・・・・」
「社長?」
 貴人の何とも言えない表情から、ゆかりはあるこれと何かしらの失敗の事を思い浮かべるのであった。
「ああ、もう来たのか」
「は、はあ・・・」
「ゆかり、この書類を見てくれ」
「書類を?」
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