しろっぷ
 うわ、こいつに見られちゃった。
 どうしようこれ・・・。

 ゆかりはスーツの後ろポケットにお守りを隠すが、後輩の圡方正志はそれを見逃さなかった。
「今何か隠しませんでした?」
「い、いや別に・・・」
「いや隠しましたよね?」
「こ、コラ!先輩の言うことを信じないのか!!」
「・・・そうですよね。すみません」

 もうーーー。謝られたら余計こっちが辛いじゃん。いつもみたいに元気よく・・・アレ?

 そう思ってゆかりは正志の顔色を伺うと、いつもみたいに明るい姿とは言えないほど暗かった。
「ねえ何かあったの?」
「え!?」
「私で良ければ相談に乗るよ?」
「あ、いえ・・・別に」
「おっ、先輩に隠し事か?生意気になったねえ〜」
「べ、べ、べ、別に隠し事とかはないですよ・・・」
 と言ってごまかす正志であったが、ゆかりは先ほどのお守りの件をうやむやにしようと考えた。
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