しろっぷ
 それでは10分ほどお時間を。
 本当は貴人に追求したい気持ちを抑え、ゆかりは社長室から離れた。


 それから10分くらい下の階で時間を潰し、ゆかりは再び社長室の前へと戻って来た。

 そろそろ話終わったかな・・・。

 ゆかりは社長室のドアに耳を当て、中の会話を確認した。
 と、貴人はまだ電話をしているようで、ところどころ会話が拾えた。
『だか・・違うん・・・・・・。お・・・・だ。・・・・そうさ。・・ああ・・・・・1番好きだ・・お前・・・・・1番だ!!』
「1番好き?」
『・・・・・結婚しよ・・・・・・・・だか・・すぐに・・・別れ・・・』
「・・・え?」
 何とか情報を得ようと必死に耳を澄ますゆかりだったが、ドアと貴人との距離が離れていてよく聞こえなかった。

 どういうこと?
 1番好き?結婚しよう・・・別れ?
 ・・・もしかして貴人さん、私以外に付き合っている人が!!
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