しろっぷ
 高そうな車に乗車するゆかり。
 車内はまるで新品のような品質で、車内に流れる音楽はヒーリング効果がありそうな音楽。
 また、甘く優しい香りが車内を包み、不覚ながらもこの空間に心地よくなっていた。
「・・・てるのか?」
「は、はい?何でしょう?」
「だから話を聞いているのかって言ってるだろう!」
「すみません。聞いていませんでした・・・」
 貴人のペースにはまっていたゆかりの心臓の鼓動はまたしても上がり、今にも倒れそう。
「まったく。だから来月からオレの秘書になるから」
「私が秘書ですか?わかりま・・・・・、え!秘書!!」
 ゆかりの大きな声にビックリした貴人は左だけ耳を塞ぐ、迷惑そうな顔になっていた。
「私が秘書って。社長には秘書の方はいますよね?」
「ああ、アイツは親父の元秘書だ。次が見つかるまでって条件でいてもらっているだけだ」
「で、でも私、秘書など勤まるとは・・・」
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