しろっぷ
　まずゆかりは、秘書に相応しいスーツを品定めを開始。
　見た目や触った触り心地から、ゆかりが今着ているスーツの質が違うとすぐにわかった。

　げっ！？78万円？
　私の給料より上！！

　ふと見えた値段表にゆかりは身体が震えてしまい、触ったから買い取れと言われるのではないかと頭によぎる。
「それがいいのか？」
　貴人は早々に飽きており、個室にあった椅子に座っていた。
「私、今は手持ちがなくって・・・」
「何の話だ手持ちって？」
「あ、だからそのサイ・・・」
「何かよく知らんがオレが全部持つよ。それより早くしろ」
　貴人は自身の腕時計をチラチラ見て、時間を気にしている様子。
「橘様、良ければこちらをご利用ください」
　試着室のカーテンを開け、仲村はゆかりを案内した。
　ゆかりはその78万円もするスーツを持って試着室に入り、カーテンを閉めて一人の時間。
　
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