しろっぷ
「あ、あとに最後を」
「かしこまりました。以上35点でよろしいですね？」
「は、は、は、はい。よろしゅうございます？」
　もう何を口走ってるのかもわかっていないゆかりの頭は回っていない。
　一方、仲村は慣れたように商品を包むように部下に指示し、仲村は再び店の奥へ。
　そして、戻ってくると手に会計の紙が。
「おいゆかり」
「な、何でしょう？」
「こんなに少なくていいのか？」
「え、あ、はい？」
「そうか。なら仲村さん、会社の方に回しといて」
「かしこまりました。それではサインを」
　会計の紙を渡した仲村。
　貴人はそれにサインをすると、すくっと席から立った。
「ゆかり、住所は？」
「住所？」
「そんなに持って帰れないだろう？速達させるから仲村さんに伝えておけ」
「それでしたらこちらをお使いください」
　仲村は高級そうなメモ帳を惜しげも無く一枚破り、その紙をゆかりに渡す。
< 76 / 306 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop