時空(とき)の彼方で
「どうも」
「で、2人はどういう関係なの?」
「道端で気を失いそうになったところを助けてもらったんです」
「えっ? それで、もう大丈夫なのか?」
「はい」
「そうか、それはありがとうございました」
「いえ」
「それにしても、今日のお前、いつもと雰囲気が違うな。エステでも行った? 何だか若返った気がする」
「店長、実はわたし・・・」
彼女、そして小川からの説明を聞いた彼は、暫く黙り込んでしまった。
そして、コーヒーを口に含むと、ごくりと喉を鳴らして飲み込んだ。
「つまり、お前は10年前の違う世界から来て、ここには別のお前が居るんだな?」
「はい」
「ちょっと待って」
彼は、上着のポケットからスマホを取り出すと電話を掛けた。
「あっ、もしもし理沙? どう? 店の方は順調? ああわかった。それじゃ今晩俺んちで」
そう言うと、彼は電話を切った。
「本当だな」
「今のは、この世界のわたしですか?」
「ああ。今のお前は仲通店の店長だ。そして俺は本社勤務。ついでに言うと、俺達3年前から付き合ってる」
「えっ! 店長とわたしがですか?」
「ああ」
「信じられません」
「でも、事実だよ。で、これからどうするんだ?」
「この世界のわたしに会ったら、どちらか1人が消えてしまう。だから、会わないように気をつけながら、元の世界に戻れるまで待ちます」
「そっか、それまで何処に泊まる?」
「あ、それは俺のアパートで構いません」
「小川さんの?」
「はい。俺、役者やってるんで、家を空ける事が多いから」
「申し訳ないんですが、それはお受け出来ません」
「えっ?」
「ここにいる理沙は、俺と付き合う前の理沙かもしれませんが、現在は俺の恋人です。向こうの世界でも俺達、愛し合う関係になって欲しいと思います」
「そうですね。だったら安いホテルを探しましょう」
早速2人は、スマホでホテルを検索した。
「理沙、宿泊代は俺が出す」
「店長・・・」
「店長になる前のお前の給料じゃ、そう長くは泊まれないだろ?」
「それはそうですけど」
「理沙ちゃん」
「はい?」
「で、2人はどういう関係なの?」
「道端で気を失いそうになったところを助けてもらったんです」
「えっ? それで、もう大丈夫なのか?」
「はい」
「そうか、それはありがとうございました」
「いえ」
「それにしても、今日のお前、いつもと雰囲気が違うな。エステでも行った? 何だか若返った気がする」
「店長、実はわたし・・・」
彼女、そして小川からの説明を聞いた彼は、暫く黙り込んでしまった。
そして、コーヒーを口に含むと、ごくりと喉を鳴らして飲み込んだ。
「つまり、お前は10年前の違う世界から来て、ここには別のお前が居るんだな?」
「はい」
「ちょっと待って」
彼は、上着のポケットからスマホを取り出すと電話を掛けた。
「あっ、もしもし理沙? どう? 店の方は順調? ああわかった。それじゃ今晩俺んちで」
そう言うと、彼は電話を切った。
「本当だな」
「今のは、この世界のわたしですか?」
「ああ。今のお前は仲通店の店長だ。そして俺は本社勤務。ついでに言うと、俺達3年前から付き合ってる」
「えっ! 店長とわたしがですか?」
「ああ」
「信じられません」
「でも、事実だよ。で、これからどうするんだ?」
「この世界のわたしに会ったら、どちらか1人が消えてしまう。だから、会わないように気をつけながら、元の世界に戻れるまで待ちます」
「そっか、それまで何処に泊まる?」
「あ、それは俺のアパートで構いません」
「小川さんの?」
「はい。俺、役者やってるんで、家を空ける事が多いから」
「申し訳ないんですが、それはお受け出来ません」
「えっ?」
「ここにいる理沙は、俺と付き合う前の理沙かもしれませんが、現在は俺の恋人です。向こうの世界でも俺達、愛し合う関係になって欲しいと思います」
「そうですね。だったら安いホテルを探しましょう」
早速2人は、スマホでホテルを検索した。
「理沙、宿泊代は俺が出す」
「店長・・・」
「店長になる前のお前の給料じゃ、そう長くは泊まれないだろ?」
「それはそうですけど」
「理沙ちゃん」
「はい?」