時空(とき)の彼方で
身近な人との再会
「その事があって、いろんな本を読みあさった。これが正しいとは言えないかもしれないけど、ここは理沙ちゃんの10年後の世界と言っても、同じ空間では無いと思う」
「パラレルワールド。つまりここをAの世界とすると、わたしがいたのはBという世界?」
「そういう事。2つの世界は別々に存在していて、決して交わる事は無い」
「そこに、なぜかわたしは移動しちゃったわけですね?」
「そういう事になるね」
2人は、ファミレスを出ると、無言で歩き出した。
しばらく続いた沈黙を破ったのは、彼の方だった。
「これからどうしようか?」
「電話、貸してもらえますか?」
「えっ?」
「店長の番号だったら通じるかもしれません」
彼女はスマホを借りると、自分の携帯の電話帳から番号を探し電話を掛けた。
「もしもし、店長ですか?」
彼女の顔がぱっと明るくなる。
聞き慣れた声が耳元に届いたからだろう。
『理沙? どうした、店からか?』
「良かった。つながった」
『何? どうした?』
「店長、今日はちょっと訳があってお休みさせて下さい」
『そんな事俺に言わずにお前の店のスタッフに言えよ』
「えっ?」
『えってお前、俺はもうお前の上司じゃ無いんだし』
「どういう事ですか?」
『理沙、お前変だぞ? 今、どこにいるんだ?』
彼女は、小川達樹と一緒に、駅前のカフェへ向かった。
「俺も一緒に行っていいの? 相手は男だろ? 俺と一緒じゃ誤解するかもしれないよ」
「わたし達、そんな関係ではありません。それに、わたし1人じゃこの状況を上手く説明する自信がないんです」
「わかったよ」
店に着き、店内を見渡したがまだ彼の姿は無かった。
2人は窓際の席に座ると、コーヒーを注文して相手の到着を待つ事にした。
「お待たせ」
10分ほどして男がやって来た。
そして、彼女の横に座る男に気づくと、少し表情を強張らせた。
注文を聞きに来た店員に、2人と同じくコーヒーを頼む。
「理沙、隣の方は?」
「小川達樹さんです」
「どうも。岩清水正人と申します」
「パラレルワールド。つまりここをAの世界とすると、わたしがいたのはBという世界?」
「そういう事。2つの世界は別々に存在していて、決して交わる事は無い」
「そこに、なぜかわたしは移動しちゃったわけですね?」
「そういう事になるね」
2人は、ファミレスを出ると、無言で歩き出した。
しばらく続いた沈黙を破ったのは、彼の方だった。
「これからどうしようか?」
「電話、貸してもらえますか?」
「えっ?」
「店長の番号だったら通じるかもしれません」
彼女はスマホを借りると、自分の携帯の電話帳から番号を探し電話を掛けた。
「もしもし、店長ですか?」
彼女の顔がぱっと明るくなる。
聞き慣れた声が耳元に届いたからだろう。
『理沙? どうした、店からか?』
「良かった。つながった」
『何? どうした?』
「店長、今日はちょっと訳があってお休みさせて下さい」
『そんな事俺に言わずにお前の店のスタッフに言えよ』
「えっ?」
『えってお前、俺はもうお前の上司じゃ無いんだし』
「どういう事ですか?」
『理沙、お前変だぞ? 今、どこにいるんだ?』
彼女は、小川達樹と一緒に、駅前のカフェへ向かった。
「俺も一緒に行っていいの? 相手は男だろ? 俺と一緒じゃ誤解するかもしれないよ」
「わたし達、そんな関係ではありません。それに、わたし1人じゃこの状況を上手く説明する自信がないんです」
「わかったよ」
店に着き、店内を見渡したがまだ彼の姿は無かった。
2人は窓際の席に座ると、コーヒーを注文して相手の到着を待つ事にした。
「お待たせ」
10分ほどして男がやって来た。
そして、彼女の横に座る男に気づくと、少し表情を強張らせた。
注文を聞きに来た店員に、2人と同じくコーヒーを頼む。
「理沙、隣の方は?」
「小川達樹さんです」
「どうも。岩清水正人と申します」