Trick or Treat【後日談】
✿sweet Halloween✿
✿side 秋✿
「あっ、秋……!」
「なに?」
「な、何っていうか……近いよ!」
ずっとずっと大事に想っていた幼なじみの月紗と、ハロウィンの日、漸く想いを通い合わせることが出来た俺。
お菓子ももらって、月紗の唇も貰って幸せいっぱいな俺は、まだ月紗のことを離したくなくて、緩く抱きしめたまま、月紗の肩に顔を埋めていた。
あー……離したくねえなあ。ずっとこのままで居てえ。
「そ、そろそろ教室戻らないと変に思われるよ……」
「誰も探しにこねーよ」
すり、と頬を寄せれば、擽ったそうに身を捩る月紗。そんな些細な反応も、俺の心を酷く乱す。
「……月紗、こっち向いて?」
「え……な、なに?」
「キスしたい。いい?」