夏恋花火
「あー!!春馬だぁー!!!♡♡」
黄色い歓声の女子がたくさん群がってきた
同じ高校の人たちかな
『なんだよお前ら~』
ちょっと困った顔で春くんが言った
そこから会話はまるでわからなかった
愛華のとこ行こっかな……
春くんに背中を向けて行こうとしたら
腕を掴まれた
「っ…え……?」
春くんは口に手を当てしーと言いながら
私の腕を引っ張り走り出した
少し力強い春くんの手だ……
やわらかく春くんの匂いがする