歩道橋で会おうね。








目の前には、

ハルキくんが立っていた。



相変わらずの整った顔立ち。

アルバムの写真で見た、シロガネと似ている。

繊細なフレームの眼鏡。

アルバムではかけていなかったから、その後でかけたのかな?




「どうしたんですか?」




今でも覚えている。

シロガネに水をかけられた日を。

蹴飛ばされた日を。

…その声キモいと言われた日を。



その時の声に似ている。

冷たく感情がない声…。




ハルキくんを見て、ますます涙があふれた。

ハルキくんは黙って私にハンカチを差し出した。








「…良い加減泣き止んだらどうですか?」




数分後。

歩道橋近くのベンチで、ハルキくんが尋ねた。








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