歩道橋で会おうね。







ハルキくんは苦笑した。




「まぁ偶然ですよね。
僕はシロガネという名字ではありませんから」




シロガネという名字ではない。

つまり、

シロガネ=ハルキくんと言う方程式は成り立たないってこと?




〈知り合いにいない?
銀遥希くんは〉

「ええいませんよ」

〈小野照也は?〉

「オノテルヤ?
いえ…存じ上げませんね」



その口ぶりが、嘘をついているとは思えない。

つまり、銀遥希と水川遥希は別人?




「で?そのシロガネがどうしましたか?」

〈そのシロガネが、私が声を失った原因なの〉

「…え?」

〈私小学生の頃―――…〉



私は全て話した。

声を失った原因。

シロガネとオノの存在。

アユとアックンの存在。

転入してきた吾妻の弟さんのことも話した。








 
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