歩道橋で会おうね。








「…なるほど。
色々あったんですね、アオも」

〈だから男なんて嫌いだったの。
嫌いっていうか、恐怖心があって〉

「それは確かに当たり前の現象ですね」

〈でもハルキくんは良い人だと思う。
毒舌だし性格悪いけど、不思議と恐怖心はないかな。
ただアルバム見て、シロガネと同じ名前だって知って。
…凄く怖かった。

ハルキくんがシロガネだったらどうしようって〉

「もし僕がシロガネならどうするんですか?」

〈…わかんない。
ただ、恐怖心は少なからず出ると思う。
だって私から、歌を奪ったから…〉

「歌?」

〈うん。
私歌が大好きなの。
今は歌えないから、聞くだけだけど〉

「そうなんですか」



どこか、嬉しそうにハルキくんは言った。



〈どうかした?〉

「実は僕も好きなんですよ、歌」



え?

なんか意外な趣味発見!



「家の事情で部活など入っていませんが、真島から軽音部に入らないかと誘われていたほどで」

〈そうなんだ!〉



意外だなぁ。

あんまり音楽とか興味なさそうなタイプだからさ。












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