歩道橋で会おうね。







〈良いよ、楽しそう。
私もバンドの仲間に入れて〉

「ええ。良いですよ」

〈じゃ、約束〉



私は小指をたてた右腕を出す。

ハルキくんも微笑みながら、私の小指に、自分の小指をからめた。



「必ずですよ」

〈勿論!
ただいつになるかわからないけど〉

「いつまでも待ちますよ」



その笑顔は嘘じゃない。

私は信じることが出来る。




〈ところでハルキくんは、いつからアックンやアユと知り合いなの?〉



さっきバンドを組まないか誘われたと言っていた。

ここ最近の話ではないはずだ。



「……」



ハルキくんは気まずそうに目を伏せた。



聞いちゃいけなかったか?

私を不安が押し寄せた。






< 109 / 259 >

この作品をシェア

pagetop