歩道橋で会おうね。







私が固まりながら見ていると、彼はほんのり笑顔を浮かべた。

うわ…マジで王子様!

いくら彼氏のいる彼女でも、ドキッとしちゃうほどのかっこよさ!

…私、失礼かな?

でも、それほどかっこいいの!!





「大丈夫ですか?」




涼やかでよく通る声。

歌が上手そうだなぁと思う。


私が頷くと彼は私を、そのまま手を引いて階段の上まで来てくれた。

細く白く長い手足。

短足の私には羨ましい体つきだ。



あ、お礼!

私は鞄の中からホワイトボードを取り出し、書きこんでいく。

彼は不思議そうな瞳を向けたまま立っている。



待っていてくれるんだ…。



〈助けてくれて、ありがとうございました〉



私が向けたホワイトボードを見た彼は、再び笑みを浮かべた。

キラキラ~って効果音入りそうだねぇ。



「どういたしまして。
怪我はないですか?」



頷くと、彼は頷き返した。






< 11 / 259 >

この作品をシェア

pagetop