歩道橋で会おうね。
私が固まりながら見ていると、彼はほんのり笑顔を浮かべた。
うわ…マジで王子様!
いくら彼氏のいる彼女でも、ドキッとしちゃうほどのかっこよさ!
…私、失礼かな?
でも、それほどかっこいいの!!
「大丈夫ですか?」
涼やかでよく通る声。
歌が上手そうだなぁと思う。
私が頷くと彼は私を、そのまま手を引いて階段の上まで来てくれた。
細く白く長い手足。
短足の私には羨ましい体つきだ。
あ、お礼!
私は鞄の中からホワイトボードを取り出し、書きこんでいく。
彼は不思議そうな瞳を向けたまま立っている。
待っていてくれるんだ…。
〈助けてくれて、ありがとうございました〉
私が向けたホワイトボードを見た彼は、再び笑みを浮かべた。
キラキラ~って効果音入りそうだねぇ。
「どういたしまして。
怪我はないですか?」
頷くと、彼は頷き返した。