歩道橋で会おうね。
言ってから気が付く。
〈ごめんなさい、無神経だよね?
答えなくても大丈夫だよ〉
私、凄く最低なこと聞いちゃった。
家族については触れてはいけないはず。
だって私は、ハルキくんの“友達”だから。
“彼女”じゃあるまいし…。
〈ごめん。
今日は帰るね!〉
私は振り返らず、公園を出た。
ハルキくんの顔を見ることが、出来なかった。
「あらお帰りなさいアオちゃん」
家に帰ると、叔母さんが笑顔で迎えてくれた。
夕飯なのか、グラタンの良い香りがする。
「今日叔父さんは遅いから。
食べちゃいましょう?」
頷き、椅子に座る。
スプーンでグラタンを食べる。
美味しい。
食事中いちいち手を止めてホワイトボードに書きながらの会話は大変だから、と言って叔母さんは話しかけては来るけど、私の返答は求めない。
もし話すことが出来たのなら。
もっと夕食も楽しめるだろうな…。