歩道橋で会おうね。
「ハルキ…?」
羽菜さん、と呼ばれた人は双子に話しかけた。
双子は同時に頷き、部屋を出て行った。
それから双子と一緒に白衣を着たオジサンが戻るまで、羽菜さんは一言も話さなかった。
「君は、水川遥希くんだね?」
「みずかわ…はるき……?」
オウム返しに答えると、オジサンは「うーん…」とうなった。
オジサンと一緒にいる女の人も、不安そうな瞳をオジサンに向けていた。
「ここは成宮総合病院。
君が住む、遥華市で大きめの病院だ。
それで君は水川遥希くん。
…覚えていないかい?」
素直にうなずくと、オジサンは羽菜さんと双子を見た。
「ご親戚の方で?」
オジサンの質問に、羽菜さんが答えた。
「いえ。
わたしはハルキの…義理ですが、姉です。
こちらは…ハルキの…友達です」
義理の姉…羽菜さんが?
駄目だ、全く覚えていない。
少し頭に痛みを覚え、顔をしかめた。