歩道橋で会おうね。







「大丈夫ハルキくん」



双子の女の方が、不安そうな瞳を向けてきた。

よく見ると、目の辺りが赤い。

…泣いたのか?



「だ、大丈夫です」



羽菜さんの言うことが本当ならば、この双子は僕の友達。

でも…全く覚えていない。



「ハルキくんのご両親は?」

「…仕事のため、来れません。
わたしが聞きます」

「そうですか。
…ご友人の方は失礼ですが」

「ここにいさせてください」



双子の男の方が、力強くオジサンに言う。



「ですが、ご家族ではない方が…」

「ハルキがこうなったのは、俺らにも責任があります。
大丈夫です、他人には言いふらしません」



よく見れば、僕の足には包帯が巻かれていた。

怪我でもしたようだ。

痛みはないから、痛み止めでも飲まされているのか、あるいは痛まないほどの傷なのかもしれない。



この傷が、彼ら双子の責任…?

双子だけでない。

羽菜さんにも責任があるのか……?








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