歩道橋で会おうね。








「ハルキ」



羽菜さんに呼ばれ、振り向く。



「改めまして。
わたしは水川羽菜。
あなた、水川遥希の姉よ。
姉と言っても義理だけどね。
両親は、仕事を理由に来ないわ。
多忙な人たちだから…」



そう言った羽菜さんは寂しそうな笑みを浮かべた。

両親は仕事を理由に帰ってこない。

義理の弟であるらしい僕は記憶がない。

…不安なんだろうな。



「それでねハルキ。
この子たちはハルキの友達よ。
お兄さんの真島歩生くんと、妹の真島歩夢ちゃん。
双子だから、見分け付かないでしょう?」

「よろしくなハルキ。
俺が真島歩生。
ハルキとは小学校の時会ったんだぜ」

「あたしは真島歩夢。
またよろしくね、ハルキくん」




僕の記憶がないと言うのに、何故彼女たちは笑顔で僕と話せるのだろうか?

僕が警戒心を抱いていること、わかるはずなのに。

不思議な人たちだ…。





それから数日後。

僕は退院し、大きめのマンションへ羽菜さんと来た。

今だ両親と言うものには会ったことがない。

羽菜さんも気にしていないようだし、関わらないでおこう。






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