歩道橋で会おうね。
「嫌です。行きません」
口調は強いけど、目には焦りが浮かぶアユ。
1人じゃ、怖いよね。
どう考えても、私たち喧嘩したら負けるもん。
…怖いよ。
私はクイッとアユの制服の裾を引っ張る。
大丈夫?と言う眼差しを向けると、アユは察したらしく、ぎこちない笑顔で頷いた。
「大丈夫だよアオ。
心配しなくて良いよ。
もうすぐお兄ちゃんやハルキくんたちも来るだろうから」
「ハルキ?ハルキって、アノ水川遥希?」
何故か反応するチャラ男たち。
ハルキくんのこと、知っているのかな?
「何何ー?
お前たち水川遥希の知り合いなわけ?
ハハハハ!そりゃウケるなぁ!!」
「…何が面白いのよ」
アユの意見に激しく同意します。
何でハルキくんが面白いのよ。
「だってアイツ、無愛想だし無表情だし、まるでロボットだろ。
それなのにお前らみたいな彼女いるのか。
こりゃ傑作だな!明日皆に伝えるぞぉ!」
「ハルキくんのこと、馬鹿にしないであげてよ」
私も激しく頷く。
ハルキくんのこと、馬鹿にしないでよ。