歩道橋で会おうね。








「あーちゃん、何かあったのか?」



アックンが何も答えないアユと一緒にいた、私に尋ねてくる。

でも私はアユとの会話用に持っていたホワイトボードに、何も書けなかった。




「…あーちゃん?」

「どうしたんですか?
言わないと何も始まらないでしょう」



そう、なんだけどさ。

どうしよう…ペンを持つ手が震えて、何も書けない。

ぶら下げているホワイトボードも、胸の辺りに持ってくることが出来ない。

金縛りって、多分こういう感じだよね。




「あーちゃん?アユ?
あいつらに何された?
言ってみい?」



優しく笑顔でアックンは聞いてくるけど。

アユは俯いたままだし、私は固まったままただ見つめるだけ。




「…?」



アックンは不思議そうな顔をしてハルキくんを眺める。



「…なんですか?」

「ハルキ知らないか?」

「知りませんよ。
何故僕が知っているんですか。
僕はずっと、真島といたでしょう」

「そうだな」



コント?










< 129 / 259 >

この作品をシェア

pagetop