歩道橋で会おうね。









☆歩生side☆




まずネタバレを先にしよう。



水川遥希は、あーちゃんも知っての通り、本名は銀遥希という。

あーちゃんの声を失った原因となった、あのシロガネだ。




俺は当時あーちゃん、アユ、ハルキとは違うクラスだったため、今から話す話は、全てアユから聞いたものだ。




ハルキこと銀遥希があーちゃんに水をかけた日や蹴飛ばした日は、俺は別のクラスで先生たちに隠れてカードゲームを行い、アユは風邪で欠席だったため、

あーちゃんが銀遥希にいじめられていたことは、あーちゃんの声が出なくなったと、あーちゃんのクラスの担任に言われてから初めて気が付いた。




俺もアユも悔いた。

何故幼い時から一緒に成長してきた友達を、幼馴染を、助けられなかったのか。

同時に銀と小野が憎くてたまらなくなった。

あーちゃんをいじめた張本人と、それを見てただ笑っていた小野。

あーちゃんから歌を奪った2人が、憎かった。




ただ、小野は学年でかなり力を持つ、いわば餓鬼大将。

喧嘩したとしたら絶対負けるし、小野には多くの仲間と言うかとりまきがいたから、敵うはずのない相手だった。



一方の銀は人懐っこい笑顔が特徴で、誰からも信頼され愛される人柄だったが、あんまり争いを好まないタイプ。

ただ、あーちゃんに散々ヒドいことを言った後から人との関わりを避けるようになり、段々と孤立していった。

小野とは違い、仲間がいない。

あーちゃんについて責められると、俺らは思った。






< 133 / 259 >

この作品をシェア

pagetop