歩道橋で会おうね。
本当は、孤立していく銀を責めようと思った俺らは間違っていると思った。
でも、俺らの銀への怒りは、収まることを知らなかった。
そして今から4年前。
中学の入学式の日。
俺らは入学式から帰宅途中の銀を追いかけた。
あんなに人気者だった銀に、話しかける奴はいない。
太陽みたいに明るかった小学生だった頃の面影はない。
何故だかは知らなかった。
「…銀」
「…真島」
「話がある。良いか?
それとも用事でもあるか?」
銀の家は、当時どこの家よりも裕福で、誰もが羨むお金持ちだった。
銀本人も塾をいくつも掛け持ちし、忙しい毎日を送っていたはずだ。
「…ないけど」
「へぇ。お前塾とかねぇのか?」
「…もう全部やめた。
行く意味がなくなったから」
「行く意味がなくなった?
まぁ銀は頭良いもんな」
「…」
常に笑顔の絶やさなかった銀だったが、いつしかその目は闇しか宿さなくなった。
全て憎んでいるような目。
その表現が1番合っていると思った。