歩道橋で会おうね。
「…」
アユも気が付いたらしい。
銀の様子が、変なことに。
「銀…?」
「ごめっ…言いすぎたかも」
思わず謝るも、銀は真っ直ぐに怯えた瞳で、俺らを見るだけ。
その唇は、小さく震えている。
「…ん」
「「え?」」
「…ごめん……」
小さく銀は呟いた。
「お…俺なんかが謝っても…、高岡の声は戻らないけど……。
でも…本当…ゴメン……」
「銀?ねぇどうしたの?らしくないよ」
アユの言う通りだ。
可笑しい。
銀が可笑しい。
壊れたラジカセのように、「ごめん」を呟いている。
まるで、それしか知らないロボットのように。
ここにはいない、あーちゃんへ向けて謝罪するかのように。