歩道橋で会おうね。
「…アンタ、何に謝っているのよ!
いくら謝っても、アオの声は戻らないのよ!!」
アユ…。
そんなに責めこまなくても。
でも、やっぱり親友の声を封じてしまった銀が、許せないんだろうな。
「…ッ」
「大嫌い…大嫌い!!」
アユはダッと踵を返し、走り出す。
アユの走り出した先は…
道路。
アユの右方向からは、大きなトラックが向かってきている。
「アユッッッ!!!」
俺は叫んだ。
アユは立ち止まり、トラックに気が付く。
でも、足がすくんで動けないらしい。
俺自身も、足がすくんでいる。
アユが助かっても、俺が死ぬ。
あのトラックに、俺ら人間が、勝てるはずがない。
生きられるわけがない。