歩道橋で会おうね。
そんな時だ。
コンコンコンッ
病室をノックする音。
仕事で忙しく、来られない両親かと思った。
「失礼します」
しかし入ってきたのは、見知らぬ女性。
艶のある黒髪は、肩にギリギリ届くぐらいの長さ。
つり目で勝気そうな黒い瞳。
鎖骨が見えそうな、赤いノースリーブに、黄緑色のパンツ。
…あんまり服装には頓着しないのか?
「真島歩夢ちゃんですか?」
「そうですけど…」
「初めまして。
わたしは水川羽菜と言います。
銀…じゃない、水川遥希の姉です」
水川遥希?
銀遥希じゃないのか?
姉だからか、よく似ている。
「ごめんなさい…。
あた、あたしのせいで、銀が…!」
謝りだすアユ。
しかし銀のお姉さんは、笑顔で首を振った。