歩道橋で会おうね。
俺は羽菜さんとアユに、思ったことを全て伝えた。
ハルキが、理由もなくあーちゃんをいじめるはずがない、と。
羽菜さんもアユも、「確かにそうだ」と言っていた。
「羽菜さん、お願いがあります」
「何かしら、歩生くん」
「ハルキが目を覚ますまで、俺、毎日ハルキに会いに来ても良いですか?」
「あたしも行きたいです」
「ええ、そうしてちょうだい。
ハルキもきっと喜ぶわ。
どうせわたし以外、お見舞いになんて来ないんだから」
「「ありがとうございます、羽菜さん」」
それから俺とアユは、毎日ハルキの元を訪れた。
精神的にまだいじめられて声を失ったショックから立ち直れていないあーちゃんは、連れて来なかった。
本当は来てほしかったけど、傷口に塩を塗ることになるから。
あーちゃんの心の傷が癒えてから、一緒にハルキの元へ来ようと思う。
羽菜さんは大学の関係上、毎日は来れなかったけど、頻繁に来ていた。
そして大学での些細な出来事を話すのだ。
その笑顔は、廊下などで見た、あの太陽みたいなハルキの笑顔と似ていた。
義理の姉弟と言いながらも、羽菜さんとハルキはどこか似ていた。
羽菜さんにそのことを言ってみると。
「そう?
でもあたしとハルキ、血なんて本当に繋がっていないのよ?
親も両方違うしね。
…でも、あたしは誰よりもハルキを大事に思うし、ハルキが目を覚ました後も、ハルキを守っていくと誓えるわ」
良かったなハルキ。
お前は良いお姉さんを持ったな。