歩道橋で会おうね。






また毒吐かれたら痛いし…。

漫画みたいな恋は憧れちゃうけど、男嫌いだし。

あのシロガネやオノみたいな人に会いそうで…。

同じことを繰り返してしまいそうで。

男子への恐怖心は、まだあるかな…。




「あ、お兄ちゃーん!」

「アユ?それにあーちゃん?」



制服を少し着崩しながら来たのは、アユの双子のお兄さんであるアックン。

アックンは私のことを“あーちゃん”と呼ぶ。

小さい頃から変わらない呼び名だ。



「どうしたんだわざわざ」

「お兄ちゃんに聞きたいことあってね。
ね、アオ」



私は何も言わず、ホワイトボードを握りしめた。



「あーちゃん?どうした?」

「…」

「アユ、お前また何も考えずに来たのか?」

「またって何よぉ」

「後先考えず突っ走る癖あるだろ」

「ヒドいなぁお兄ちゃん。
まぁ間違っては、いないけど…」




ギャアギャアとアユとアックンが騒ぎ始める。

この2人普段は仲良しなんだけど、1回喧嘩を始めると、誰も手がつけられなくなるほど大喧嘩する。

前は喧嘩なんて珍しかったんだけど、小学5年生で私の声が出なくなったことをきっかけに喧嘩をすることが多くなった。

理由は分からないけど…。

私に関係あるのかな…?







< 15 / 259 >

この作品をシェア

pagetop