歩道橋で会おうね。









「あーちゃん、俺は嬉しいんだ。
あーちゃんがハルキと話してくれて」



え?




「ハルキ、学校でもあんな感じで無愛想で無口で無表情で。
頭は良いしスポーツも出来るから、入学当初は多くの人がハルキの周りに集まってきた。
でも今は俺ぐらいしかハルキと話さない。
ハルキの性格に、誰しも嫌だと思ってしまうんだ。

担任や他の先生もそう。
成績が良いから、ハルキを始めは重宝していたけど、今じゃ誰しもがハルキを厄介者として扱うよ。
いくら成績が良くても、ハルキは性格に難アリということで、教師の間でも嫌だと思われている。
ただハルキは人一倍素直に物事を言うだけなのにな。

俺もアユも、正直ハルキの性格の悪さには困ったよ。
あーちゃんをいじめた理由を知るため近づいたんだけど、あんな性格の近くにいたら、俺らもああいう性格になってしまうかもしれないし、俺の場合教師や他の生徒からもハルキといるからって理由だけで目ぇつけられて。
よくここまで来れたなぁって、俺今でも感心するもん。

その点あーちゃんは違う。
ハルキの性格の悪さに直面しても、めげないし、嫌だと思っていない。
例え嫌だと思っていたとしても、ハルキから離れようとしない、でしょ?」





確かに、そうだ。

ハルキくんが嫌だと思ったことは何度もある。





でも、






会いたくないと思うほど嫌だと思ったことがない。






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