歩道橋で会おうね。
「あれぇ?お兄ちゃんどうしたのォ?」
恐らくアックンが倒れている原因を知るアユは、楽しそうにクスクス笑っていた。
つられて私も笑う。
まさか顔面でキャッチするとは思わなかったなぁ。
「てめっ…アユ!
お前知っていて笑っているんだな!?」
「へ?何のことォ?」
「しらばっくれるな!!」
日が沈み始めた夕方、公園でギャアギャア言い争う2人。
でも仲は良いこと、私は知っている。
2人が誰よりも自分より、人を大事にすることも。
「あれ?こんなところで呑気に喧嘩ですか。
暇なものですねー」
…久しぶりに聞く声。
「吾妻!?」
アユが喧嘩を止め、驚いた声を出す。
吾妻を知らないアックンは「え?」と顔に書いてある。
久しぶりに見る吾妻くんは不敵な笑みを浮かべていた。