歩道橋で会おうね。
公園の入り口から戻った私は、アックンとアユに尋ねる。
〈知っていたの?颯天くんが、ハルキくんの親友だって〉
「あぁ…。
でも、まさか自殺していたなんて」
「しかも、ハルキくんが見捨てたって…本当かな?」
「なわけないだろアユ。
…と言いたいが、俺も当時はハルキと親しかったわけじゃねぇし。
ただ当時のハルキの性格からして、見捨てるとは思えない。
親友って言っていたほどだし。
親友を、そんなアッサリ見捨てられるか?」
「普通なら見捨てられないよ。
じゃあ、何で吾妻は颯天くんが自殺した理由が、ハルキくんだって知っているの?」
吾妻くん言っていた。
当時は吾妻くんもあまり颯天くんと関わらなかったって。
颯天くんが自殺してから、いじめられていたことを知ったって。
つまり、
誰かが言ったってこと…?
「本当は」
アックンが口を開く。
「ハルキが全てを知っているんだ。
ハルキの記憶さえ戻れば…全てわかる。
颯天を見捨てたのかという事実も、あーちゃんをいじめた理由も。
全部…わかるはずなのに」
―――私たちの頭上には、
暗い、灰色の雲が、
どこまでも広がっていた。