歩道橋で会おうね。
「近所迷惑です。
喧嘩なら他所でやってもらえますか?」
顔立ちや佇まいは王子様と間違えそうだけど、その口調や声や台詞や眼差しは冷たい。
「・・・ハルキ」
アックンが彼を見て、ゲッ!とした表情を浮かべた。
その人物こそ、私が昨日歩道橋で出会った、あの毒舌王子様だった…。
私はすぐさま〈喧嘩はやめて!〉と書きこんでいた文字を消し、アユへ向け書き始める。
〈彼が朝話した人だよ〉
「え?マジで?
お兄ちゃんの知り合いだったの!?」
〈みたいだね…〉
同じ高校だとは制服を見た時に思ったけど、まさか知り合いだったとは。
名字でハルキは珍しいから、きっと名前だろう。
下の名前で呼ぶほど親しい仲なのかな…?
「…おや、あなたは。昨日の」
眼鏡のブリッジ部分に手を当てていたハルキ(さん?)が私を見る。
一応ペコッと頭を下げる。
今更気づいたのかいっ!
「え?
あーちゃん知り合い?」
叩かれた頭をさすりながら、アックンが聞く。
そんなに痛いのか…?