歩道橋で会おうね。







だから巡り合ったのかもしれない。

神様が会わせたのかもしれない。

それぞれ失ったモノを持つ私たちが。




きっとお互い。

失ったモノを取り戻すため。

出会ったのかもしれない。









って、何で私詩人めいたこと言っているんだ。

どこの詩だよ。

“失ったモノを取り戻すため、出会ったのかもしれない”なんて。

我ながら恥ずかしいことを言うではないか。





「あれぇ?アオちゃんじゃな~い」



のんびりした声が聞こえ、振り向くと。

相変わらず奇抜な格好をした羽菜さんが立っていた。




赤い無地の服に黄色いパーカーを羽織り、ビビットピンクと明るい水色の乱雑に混ざったズボン。

頭にはフラダンスにつけそうな大きい深い緑色の花。

大人しい色はないのかい?

そして花はなんだ?




「アオちゃん早いなぁ」

〈そうですか?〉



羽菜さん美人だから、こんなド派手な格好ではない方が良いと思うんだけどなぁ。







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