歩道橋で会おうね。
「わたし大学の友達と電話する予定があったんだわ!
ちょっと外出て電話してくるけど、アオちゃん1人で大丈夫かしら?」
私は笑顔で頷いた。
羽菜さん心配性だなぁ。
「来るとしたら、歩生くんとアユちゃんと…」
考えた羽菜さんは、難しい顔をしていた。
…?
何かあるのか?
「…多分来ないと思うけど、ハルキの親がいるわね。
まぁでも来たのは1回、ハルキが記憶を失った時だけだし。
一応入院していることは伝えているけど、来ないと思うわ」
ハルキくんの、親?
そういや会ったことないや。
「じゃあちょっと行くわね」
羽菜さんは荷物を置き、病室を出て行った。
羽菜さんが出て行き、多分1分も経っていない頃。
突然ノックもなしに、人が入ってきた。
常識知らず気味のアックンでも、ちゃんとノックする。
勿論アユも。
羽菜さんはさっきノックしなかったけど、こんなに早く電話が終わると思えない。