歩道橋で会おうね。
「…ハルキの本当のお父さんはどこにいるの?」
「知らないわよ。
知ろうとも思わないわ」
「…どうして父さんまで、ハルキを嫌うの?」
溜息を吐いた文菜さんは、今度は冷静な声で話し始めた。
「あの人はね、男が嫌いなのよ。
昔お金持ちだって面で、友達なんていなかったみたいでね。
そのせいで男が嫌いになったのよ。
奥さんもあの人以外の男が嫌いだったみたいでね。
生まれた子どもが羽菜、女の子で良かったって何度も言っていたわ。
奥さん以外愛せないけど、女の子の羽菜を守るため、ワタシと結婚した。
でもワタシにはハルキがいた。
ハルキを捨てろって何度も言われたわ。
でも、そんなことしたら会社の評判が落ちるから、諦めたのよ。
あの人も残念がっていたわよ。
折角羽菜のために再婚したのに、羽菜は自分たちよりハルキを気に入る。
ハルキに構わなければ、羽菜もあの人にもっと気に入られて、裕福な暮らしをしていたというのに。
羽菜は自分から幸せを捨てたんだわ」
待て待て…。
自分勝手過ぎませんか?
男が嫌いだから、ハルキくんを捨てろ、だぁ?
そんなの…
「…ッハルキくんが可哀想だよ!!」