歩道橋で会おうね。
羽菜さん、そしていつの間にか来ていたアユは大号泣。
アックンもポカンとしながら私を見ている。
「…あなたみたいな人に、何がわかるのよ。
馬鹿みたい。
ワタシみたいな人に青春ドラマみたいな台詞並べて」
「確かにそうかもしれませんね。
でも、私は言ったことを後悔しません」
「…ハルキも、変な人と友達になったものね」
小さく、誰にもバレないようふっと笑った文菜さんは、そのまま病室を出て行った。
本当は、誰も悪くない。
文菜さんも可哀想な人だ。
さっきも言ったけど、文菜さんは望んでハルキくんを生んだのではない。
それは紛れもない、変えられない真実だ。
でも私は、今の文菜さんが不幸だとは思わない。
愛のない結婚だったとしても、笑いあえない日はないだろう。
羽菜さんのお父さんはかつて別の奥さんを愛したわけだし。
決して人を愛せないわけではないだろう。
文菜さんも、フミヤさん以外の人を愛せるはずだ。
きっといつかは、文菜さんも羽菜さんのお父さんも、ハルキくんをきっと愛せる。
勿論羽菜さんのことも。
上手く行けば、フミヤさんもハルキくんを愛せるかもしれない。
…それは難しいかな?
でも、きっと変われるはずだ。