歩道橋で会おうね。
サヨナラの音
☆ハルキside☆
僕はイラナイ子らしい。
母さんは僕を嫌う。
「アンタがいるから幸せになれない!」っていつも泣く。
狭いアパートで、僕は言われ続けた。
家では自分を責めた。
母さんを泣かせる僕。
僕は僕が憎くて仕方なかった。
母さんの笑顔を消した僕が。
母さんが仕事でいない時、合鍵を使って現れるオジサンが僕に言う。
「お前はアヤナに望まれていない子だな」
望まれていない子。
それが僕。
「娘に、アヤナに好かれる方法、教えてあげようか」
僕は迷わず、オジサンの言葉に頷いた。
母さんが笑顔になれるはずだと、信じた。
「人に優しくなりなさい」
人に優しく?
「そうしたらきっと娘は、アヤナは幸せになれる」
僕はオジサンの言葉を信じた。
数日後。
オジサンは来なくなった。
母さんに「余計なことを言うな」と言われたらしかった。