歩道橋で会おうね。
小学5年生になった、ある日のこと。
僕はクラスでまあまあ仲の良い小野照也に呼び出された。
小野はクラスで目立ついわば餓鬼大将で、喧嘩も強い。
男子からも女子からも、あんまり評判は良くなかった。
僕は…話す程度。
「どうしたのいきなり」
「お前に今から2つの選択肢を与える。
1つ目は、お前の親友・吾妻颯天をいじめるか」
「颯天を!?
小野くん、何を言い出すんだよ!」
「オレ、吾妻颯天嫌いなんだよ。
あんな空気読めねぇKY野郎、見ていてムカつく」
「それだけの理由で!?
確かに颯天は空気が読めない所はある。
でもそれが颯天なんだよ!」
「吾妻颯天をいじめたくはないな?」
「勿論!」
「吾妻を助ける方法あるぜ」
颯天を助ける方法…?
「オレらのクラスの、高岡碧愛、知っているか?」
「う、うん…」
高岡さんは、クラスではいつも幼馴染だという真島さんと一緒にいる、目立たない地味な人。
可愛らしい声と澄み渡った歌声が、一部の男子に人気だ。
同じクラスだから、勿論知ってはいるけど、特に親しくはない。
「ソイツいじめろよ」
「えっ!?」
高岡さんを!?