歩道橋で会おうね。
「で、俺の双子の妹の、真島歩夢」
「よろしくねハルキくん」
「…」
え?ハルキくんシカト?
「シカトするなよハルキ」
「真島みたいな奴が2人いると思うと、口を聞きたくありませんね」
「失礼な人だなぁハルキくんは」
アユは笑っているけど、目は少しも笑っていない。
アユは基本、失礼な人は嫌いだ。
常識がない人も。
ハルキくんは、アユの嫌いな人Best3に入るのかな?
「じゃあ僕は今度こそ帰りますね」
今度こそ踵を返し帰っていくハルキくん。
「おう、じゃあなー」「バイバイ」と声をかけるアックンとアユ。
私は急いでホワイトボードに書き込み、ハルキくんを追っかけた。
ハルキくんに追いつくと、前にまわる。
「…何ですか?
まだ僕に何か御用でも?」
私はバッとホワイトボードを見せた。
〈本当に助けてもらってありがとうございました。
それは凄く感謝しているけど、もっと礼儀正しくした方が良いよ〉
ハルキくんはそれを見て、ふっと笑顔を浮かべた。
ドキッとしちゃうのは、彼が見た目だけ良いから。
「ご心配なく。
もう2度と出会うこともないでしょうから」
ハルキくんは私の横を通り過ぎ、長い足でスタスタ行ってしまった。
やっぱり失礼だよ!!