歩道橋で会おうね。
「…ハルキくん?」
目の前に、羽菜さんがいた。
「ハルキ!?」
「ハルキくん?いつからそこに…」
幸雄さんと母さんが、僕を見る。
その顔には、“聞かれた…”と書かれていた。
「父さんたちを見に行って、なかなか帰ってこなかったから…。
…もしかして父さんたち、何か変な話していた?」
母さんたちの怪訝な顔を見た羽菜さんが、顔をしかめる。
きっと…わかるんだろう、羽菜さんも。
他人が何を考え、何を思うか。
「…変な話はしていないさ。
安心しなさい、羽菜」
「でも…ハルキくん可笑しいよ。
わたしにとっては変な話じゃなくても、ハルキくんにとっては変な話かもしれないじゃない。
例えば…ハルキくんの亡くなったお父さんの話とか」
羽菜さんは勘が鋭い。
どんぴしゃだ。
「…!」
「え?本当にハルキくんのお父さんの話したの!?
ハルキくんの亡くなったお父さんの話…」
「亡くなってなんていないさ。
僕の父さんは、どこかの誰かもわからない不良だって」
僕は羽菜さんに真実を伝えた。