歩道橋で会おうね。








3日後。

僕は引っ越した新しい家から小学校へ向かった。

綺麗なタワーマンション。

狭いアパートでは考えられなかった、僕の部屋もある。





「おはようハルキ!」



いつもと変わらぬ笑顔で、颯天は僕に挨拶する。

僕は「おはよう」と素っ気なく返した。

颯天はいつもと違う僕に気が付き、隣に並んだ。



「ハルキどうかしたの?」

「…颯天には関係ないよ」



初めて知った、僕の出生の秘密。

母さんに愛されないわけだ。

母さんが笑顔を見せないわけだ。

その理由が…ようやくわかったよ。




僕はイラナイ存在なんだ。

母さんにはもちろん、幸雄さん…じゃなかった、父さんにも気に入られていない。

僕が男だからって。

…そんなの、僕が決めたわけではないのに、父さんは僕を責める。

「顔を見せるな」なんて優しいもの。

時には「邪魔だ」と殴られたりした。



羽菜さんは父さんや母さんに愛されているにも関わらず、僕に関わるから、今や羽菜さんまで父さんたちに嫌われている。




全テ全テ…僕ノセイナンダ。









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