歩道橋で会おうね。
ある日、高岡さんが学校を数日休む日があった。
小野は高岡さんをいじめられないので、イライラしていた。
遂にしびれを切らした小野は、僕を連れ、職員室へ向かった。
「先生。
高岡さんは何で休んでいるんですか?」
「え?小野くんが知って何があるの?」
先生の言うことはもっともだ。
「大事なクラスメイトが休んでいるんです。
心配するじゃないですか」
「そうかそうかー。
小野は良い奴だな」
高岡さんがいじめられていることを知らない先生は、アッサリ小野を信じ、高岡さんが休んでいる経緯を教えてくれた。
「高岡さんね、ご両親と出掛けた先で事故に合って。
高岡さんは怪我で済んだんだけど、高岡さんを庇ったご両親は亡くなってしまって。
今お葬式とか、高岡さんを誰が引き取るかとか話し合っているから、高岡さんは暫く休んでいるんだ。
きっと明日には来られると思うよ」
「そうですかー。
ありがとーございましたー」
笑顔という名の仮面を被ったまま、小野は職員室を出た。
職員室を出た小野は、すぐに笑顔の仮面を取った。
そして、ニタァ…と気味悪く微笑んだ。
「面白いネタを掴んだぜ…!
高岡が来たら、そのネタを思う存分使ってやる……!!」
恐怖しか感じなかった。