歩道橋で会おうね。
高岡さんが校門をくぐった所を見た小野は、僕に新たな指令を出した。
「ハルキ、高岡の机を、廊下に投げ出せ」
「…」
僕は思い切り投げた。
「良いぞハルキ!
…高岡が来る、座れハルキ。
ここから先はハルキの演技力を見るぞ。
高岡を追いつめてやれ!」
ギャハハッと下品に笑う小野。
クラスメイトも、僕と同じゲームの駒だ。
小野に指示された通りゲームを行う。
誰も小野を止めない。
小野に敵うと誰も思っていないから。
僕は教室へ入ってきた高岡さんを、散々罵った。
高岡さんの目が、徐々に潤んでくる。
…泣くか。
そりゃ泣きたくもなるよね。
ごめんね高岡さん。
本当に…ごめんなさい。
心の中で謝ってばかりで、小野に「やめなよ」とは言えない弱い僕。
許さないで良いから――――…。