歩道橋で会おうね。
「羽菜さん!?
どうかしたんですか?」
「ハルキがっ…ハルキがぁ!」
「ハルキくん?
ハルキくんがどうかしたんですか!?」
急いでベッドへ駆け寄ると。
「え?」
ベッドはもぬけの殻だった。
誰もいなくて、清潔そうな布団が、丁寧に畳まれていた。
「ハルキくんっ…?」
何で?
何でいないの?
「さっき来たら、誰もいなくて…っ!」
羽菜さんはついに涙をこぼし始めた。
「ハルキっ、ハルキっ、ああ―――!」
「羽菜さん落ち着いてくださいっ!
お医者様の所へ聞きに行きましょう!」
私は慌てて自分を制御できていない羽菜さんを連れ、ナースステーションへ向かった。
着いて、ふと思う。
あのお医者様、名前なんて言うんだっけ…!?