歩道橋で会おうね。
私は手紙を開く。
そして急いで目を通す。
「…うっ……」
私は成宮先生以外の先生や看護師さん、患者さんがいるにも関わらず、泣き出した。
どうしてだろう?
涙が…
止まらないよ……。
アユが作詞して、アックンが作曲して、私が歌ったあの歌は、ちゃんとハルキくんに届いていたんだ。
ハルキくんはちゃんと聞いてくれたんだ。
「うわあああんっ!」
声を上げて泣き出す私を、成宮先生は小さく微笑みながら聞いていた。
「泣いている暇があったら行ってきなさい。
…会って伝えたいことが、あるはずですよね?」
「…はいっ」
「さすがにわたくしも、ハルキくんの居場所は知りません。
ですが、まだ遠くには行っていないはずです。
…今からでも、間に合うはずですよ」
「はいっ!
ありがとうございました!」
私は思い切りお辞儀をして、病院を出た。
「…頑張れよ、アオ」
「成宮先生、何か言いましたか?」
「いえ?何も。
お待たせしましたね、行きましょうか」
「ええ。
ところで彼女が、成宮先生のお気に入りですか」
「お気に入り?
…彼女は初めて診た患者なのでね。
色々と思い出はありますね」
成宮先生が笑いながらそんなことを言っていたことを、
私は知らない。